宝和園の純金茶(金箔茶)にも使われる加賀金箔

日本茶の歴史番外編:金沢金箔と純金茶(金箔茶)の歴史ー前田利家の金箔と緑茶の出会い

この記事では金沢金箔の歴史と宝和園の金箔茶(純金茶)の始まりについて述べていきます。

金箔茶とは – 浮かぶ金箔を眺める至福のひととき

金箔茶(純金茶)とは、緑茶に食用の金箔を浮かべた高級茶です。

鮮やかな緑茶の表面に金箔がキラキラと舞い踊り、見た目にも華やかで贅沢なひとときを演出してくれます。金箔そのものには味や香りはありませんのでお茶本来の香りや味を損ねることはありませんが、金箔のきらびやかな輝きが加わることで特別な一日を過ごすことができます。

金沢金箔の400年の歴史と伝統工芸としての発展

宝和園の純金茶(金箔茶)にも使われる加賀金箔の箔移し
©金沢市

金は不老不死の仙薬

金箔は純金を極限まで薄く延ばした箔で、その薄さは1万分の1ミリ(0.1μm)にも達します。

金は古来より「不老不死の仙薬」とも言われ、また極めて安定した金属で化学的にほとんど反応せず体内に吸収されないため、微量であれば安全に食用利用できることから、古くより長寿や繁栄を象徴する縁起物として料理や菓子、酒などに添えられてきました。

宝和園の純金茶(金箔茶)にも使われる加賀金箔
©金沢市

豊臣秀吉の命により始まった金沢の金箔製造

金沢金箔は特に高品質で知られ、京都の金閣寺・日光東照宮の装飾から漆器や陶芸まで、様々な伝統工芸品に欠かせない素材となっており、約400年もの歴史を持つ伝統工芸品です。その始まりは安土桃山時代末期の文禄2年(1593年)、後の加賀藩の礎を築いた前田利家が豊臣秀吉の命により朝鮮出兵の陣中から国元(加賀国)へ金銀箔の製造を命じたことに遡ると言われています。

以降、江戸時代には幕府による箔打ち製造の統制(箔座)がありつつも、加賀藩内では密かに箔打ちの技術研鑽が続けられました。明治維新後に統制が無くなると金沢箔は飛躍的に発展し、質・量ともに国内随一の産地となります。現在では、日本国内で生産される金箔の98~99%が石川県金沢市で作られており、「金沢箔」として全国に知られています。

純金茶誕生の逸話 – 二つの伝統技術の出会い

急須で入れた、金箔茶(純金茶)

かつて加賀前田家御用達のある老舗料亭では、上得意様のお客様がお正月に始めて来店をした際に、何よりも先に『金箔の浮いたお茶』を振る舞ったそうです。新年を寿ぐ特別なおもてなしとして、茶の湯に浮かぶ黄金の煌めきで歓迎の意を示したのではないでしょうか。

この逸話に感銘を受けた、宝和園の茶師岡本は、金沢の熟練の金箔名人に特別に依頼をし、お茶専用の最高級本金を使用した金箔を製作していただいました。その後試行錯誤の末に金箔と緑茶を融合させた高級茶を「純金茶」と命名し、今日でもお祝いの席や日常を彩る縁起の良い日本茶として親しまれています。

純金茶はまさに、加賀400年の金箔の伝統と宝和園250年の匠の技が織り成す珠玉の日本茶なのです。

まとめ:伝統が織りなす唯一無二の黄金の日本茶

金箔茶(純金茶)は金沢が育んだ伝統と、静岡掛川をはじめとする日本茶の技術が融合して生まれた唯一無二の存在感を放つ銘茶です。400年の歴史と伝統が放つ輝きが緑茶と出会うことで、豪奢で縁起の良い、なおかつ緑茶の本来の味や栄養成分を損なうことがない特別な一杯ができあがります。

特別な人への贈り物にももちろん、自分へのご褒美として、日常に彩りを加える黄金茶を是非一度お試しください。

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