メチル化カテキンとは?普通のカテキンとの違い・多く含むお茶を老舗茶問屋がやさしく解説
はじめに|メチル化カテキンって、どんな成分?
お茶の成分を調べていると出会う「メチル化カテキン」――健康に良いと聞くけれど、普通のカテキンと何が違うのか、よく分からないという方も多いのではないでしょうか。
メチル化カテキンとは、ひとことで申しますと、緑茶に含まれるカテキンの一種で、普通のカテキン(EGCG)よりも体に取り込まれやすい(吸収されやすい)と研究で報告されている成分です。とりわけ「べにふうき」という品種の緑茶に多く含まれ、紅茶に仕上げると失われてしまう――ここが大切なところです。
本稿では、江戸時代創業(1750年代)、掛川の老舗茶問屋である私共・宝和園が、メチル化カテキンとはどんな成分か、普通のカテキンとの違いや多く含むお茶、効率のよい淹れ方まで、わかりやすくご説明いたします。
メチル化カテキンとは?|緑茶カテキンの「仲間」のひとつ
メチル化カテキンは、要するに緑茶に含まれるカテキン(お茶の渋み成分のなかま)の一種です。正式には「エピガロカテキン-3-O-(3-O-メチル)ガレート」と申しまして、一般的なカテキンに小さな「メチル基」という部品が一つ付いた構造をしております。
ふだんお飲みになる煎茶や深蒸し茶にはごくわずかしか含まれませんが、ある特定の品種のお茶に比較的多く含まれることが知られています。それが、のちほどご紹介する「べにふうき」です。
名前は難しくとも、要点は2つだけです。①緑茶カテキンの仲間であること、②普通のカテキンよりも体に取り込まれやすいと研究で報告されていること。この2点を押さえておけば十分です。
普通のカテキン(EGCG)との違い|優劣ではなく「性質」がちがう
緑茶のカテキンで最もよく知られているのが「EGCG(エピガロカテキンガレート)」です。
メチル化カテキンは、このEGCGの仲間に小さな部品が付いた「改良版」のようなものとお考えいただくと、わかりやすいかと存じます。違いを表にまとめました。
| 比べる点 | 普通のカテキン(EGCG) | メチル化カテキン |
| 多く含むお茶 | 煎茶・深蒸し茶・抹茶など一般的な緑茶 | べにふうきなど特定の品種 |
| 体への吸収 | 比較的こわれやすい | 安定していて吸収されやすいと報告 |
| 加工への強さ | 熱などで変化しやすい | 構造が安定している |
| 含有量の傾向 | 緑茶に広く豊富に含まれる | 一般的な緑茶にはごくわずか |
どちらが良い・悪いではなく、性質がちがうとお考えいただくのが正確です。
日々の健康習慣としては、いつものお茶でEGCGをおとりになりつつ、目的に応じてメチル化カテキンの多いお茶をお選びいただく――そんな使い分けが現実的です。
そもそもEGCG・EGCとは?|緑茶カテキンの代表格
メチル化カテキンをご理解いただくうえで、土台となる2つの成分の名前も押さえておきましょう。緑茶のカテキンにはいくつか種類があり、なかでも代表的なのが「EGCG」と「EGC」です。
- EGCG(エピガロカテキンガレート):緑茶カテキンの主成分で、渋みのもと。熱いお湯でよく抽出されます。
- EGC(エピガロカテキン):低い温度の水にも溶け出しやすいカテキン。水出し緑茶で多くとれると言われております。
メチル化カテキンは、このEGCGに小さなメチル基が付いた仲間にあたります。カテキンの種類ごとの性質をさらに詳しくお知りになりたい方は、緑茶カテキンの主成分EGCGの抽出方法の記事や、水出し緑茶とエピガロカテキン(EGC)の記事もあわせてご覧ください。

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メチル化カテキンを多く含むお茶「べにふうき」
メチル化カテキンを語るうえで欠かせないのが「べにふうき」という品種です。
もともと紅茶用に開発された品種ですが、緑茶(不発酵茶)として仕上げるとメチル化カテキンが残りやすいことがわかり、注目されるようになりました。逆に、紅茶のように発酵させてしまうと、この成分は失われてしまいます。つまり「べにふうきの緑茶」であることが肝心です。
味わいは、一般的な煎茶にくらべて渋みや個性がはっきりしているのが持ち味です。香りや飲みごたえをお愉しみいただきながら、独自の成分もおとりいただけるお茶として親しまれています。
研究で報告されていること|吸収のされやすさと、季節の不快感
メチル化カテキンにつきましては、これまでにいくつかの研究が行われております。
たとえば、普通のカテキンよりも体内に取り込まれやすく、血液中にとどまる時間が長い傾向があると報告されております。また、季節性のムズムズ・くしゃみといった不快感とのかかわりを調べた研究も知られております。
春先のムズムズ対策としてべにふうきをお考えの方は、飲み方や時期のポイントをまとめたべにふうき緑茶と花粉症の記事もあわせてご覧ください(本記事は「成分そのものの解説」、花粉症記事は「季節の対策」と役割を分けております)。
お茶はお薬ではなく、毎日の食生活の一部です。「これさえ飲めば大丈夫」とお考えになるのではなく、バランスのよいお食事や睡眠とあわせて、無理なくお続けいただくことが、何よりの土台になると存じます。

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効率よくとる淹れ方・抽出方法
メチル化カテキンを意識しておとりになりたい場合は、淹れ方にも少しコツがあります。
一般に、カテキンのなかまは高めのお湯でよく抽出される性質があります。
- やや高め(およそ80~90度)のお湯で、しっかりめに抽出する
- 茶葉の量はパッケージの目安どおりに。薄くなさりすぎない
- 毎日少しずつ、お続けになることを優先する(一度にたくさんより、習慣化を)
渋みが気になる場合は、お湯の温度を少し下げると飲みやすくなります。カテキンの温度ごとの溶け出し方につきましては、EGCGの効率的な抽出方法の記事や、免疫と深蒸し茶をまとめた深蒸し茶の効能・EGCGの記事でも詳しくご紹介しております。ご自身のお好みと体調に合わせて、無理のない範囲でお愉しみください。
まとめ
メチル化カテキンは、緑茶カテキンの仲間で、普通のカテキンよりも体に取り込まれやすいと報告されている成分です。
とりわけ「べにふうきの緑茶」に多く含まれ、抹茶や煎茶には普通のカテキン(EGCG)が豊富――目的に合わせてお茶を選び分けるのが、賢いお付き合いの仕方です。
お茶はお薬ではなく、毎日の食習慣の一部です。次の一杯を口にされるとき、その渋みや香りの向こうにある成分の働きに、少しだけ思いを馳せていただけましたら幸いです。
掛川深蒸し茶やべにふうきの緑茶をはじめ、宝和園のお茶を、どうぞお愉しみください。

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よくある質問(FAQ)
Q. メチル化カテキンは普通のカテキンと何が違いますか?
A. 構造に小さな部品(メチル基)が一つ付いており、普通のカテキン(EGCG)よりも体に取り込まれやすく、安定していると研究で報告されています。優劣ではなく、性質の違いです。
Q. メチル化カテキンが多いお茶はどれですか?
A. 「べにふうき」という品種の緑茶です。同じべにふうきでも、紅茶に仕上げるとこの成分は失われますので、「べにふうきの緑茶」をお選びになるのが肝心です。
Q. 抹茶はカテキンが多いのですか?
A. 抹茶は茶葉を丸ごと召し上がるのが特長で、普通のカテキン(EGCG)や旨み成分を取り入れやすいお茶です。ただし、メチル化カテキンはごくわずかです。
Q. 普通の煎茶や深蒸し茶にも含まれますか?
A. ごくわずかには含まれますが、量は多くありません。メチル化カテキンを意識しておとりになりたい場合は、べにふうきの緑茶が向いています。
Q. EGCGやEGCとは何ですか?
A. どちらも緑茶カテキンの一種です。EGCGは主成分で高めのお湯でよく抽出され、EGCは低い温度の水にも溶け出しやすいカテキンです。メチル化カテキンはEGCGの仲間にあたります。
Q. 1日にどれくらい飲めばよいですか?
A. 明確な決まりはありません。お薬ではなく食習慣の一部として、毎日少しずつ無理なくお続けいただくことをおすすめいたします。体調や体質にご不安のある方は、お医者様にご相談くださいませ。

